ミステリー?#2 (KJCとonline concordanceを利用しよう)

前回は、ISBEを使って、聖書に出てくる言葉を少し詳しく調べる方法を紹介しました。そして、mysteryを例に使ってみたのですが、実際の聖書中のmysteryの原義がどんなもので、各個所どんな意味合いで使われているかについては、ISBEを読んでくださいという形で終わりにしました。

実際に自分が各個所を読み込んで、mysteryもしくは奥義の内容が具体的には何であるかを調べたい時には、e-swordの中ではKJC(King James Concordance)が使えます。これは、特定の語が、聖書中どこに出てくるかを教えてくれるツールです。ただ、面倒な点は、KJCは、単語を検索ウィンドウに入れても内容を表示せず、Storng'sの記号を入れて検索しなければならないことです。Storong'sの記号がわかっていれば、それをタイプすればいいのですが、わかっていない時は、その単語が出てくる聖書個所をいちいち探して、Strong'sの記号を探さなければならないのです。

そういう時には、単語の入力で見つけることのできるツールを使います。biblos.comというサイトが、online concordanceを提供しています。サイトを開くと、上方に、検索用のウィンドウが有ります。そこに例えばmysteryとタイプし、ウィンドウの下のタグからConcを指定してから、searchをクリックします。すると、mysteryという語が現れる聖書個所が31箇所ほど示されます。見るとエペソ書3章に、mysteryがまとまって6回現れ、3章には3回現れることがわかります。その個所をe-swordの新改訳で確認してみます。

日本語の聖書である新改訳で見ると、3章3節から6節まで、続けて「奥義」という言葉が使われています。それがmysteryの和訳です。丹念に読んでみますと、

『3:5 この奥義は、今は、御霊によって、キリストの聖なる使徒たちと預言者たちに啓示されていますが、前の時代には、今と同じようには人々に知らされていませんでした。』

という表現で、「奥義」が、以前がわからなかったもので、今は明らかにされているという、原語ムステリオンの性質をよく表す記述が有ります。そして、6節まで読むと、「その奥義とは」という説明がなされています。

『3:6 その奥義とは、福音により、キリスト・イエスにあって、異邦人もまた共同の相続者となり、ともに一つのからだに連なり、ともに約束にあずかる者となるということです。』

すると、記者(パウロです)は、この文章においては、「奥義」を、「ユダヤ人もそれ以外の国の人々もキリストによって救われるということ」という内容で用いていることがわかります。

別の個所では、別の内容を示すために「奥義」という言葉を使っていますから、その都度その指し示す内容が何かを確認してみるのが良いと思います。

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