構文分析の簡単な紹介・説明

はじめに
構文分析は、文の主節、その他の品詞の修飾関係を系統図のように示して、その文の主旨をより明確に把握するためのものです。これによって、記者の意図が明確になったり、思わぬ発見が有ったりしますので、書簡文体の聖書研究では、是非用いていただきたいテクニックです。

構文分析は、「英文長文問題精講」のようなタイプの受験参考書等に出てくる品詞と修飾の分析をして、系統図を書く作業です。英語の基本語5文型の知識が役に立ちます。英文法は苦手だったという方も、これは聖書研究のツールであって、学校の勉強ではありませんから、気軽に、気長に取り組んでいただけたらと思います。もしあなたがクリスチャンで、より深い聖書研究をしたいという方でしたら、是非チャレンジしてください。一度思いがけない発見の経験が有ると、病みつきになるのではないかと思います。

最初に日本語でモデルを示し,英語も添えてみます。


 
元の英文は
A very brave man actually saw a strong black bear running wildly.
(説明のために無理に作ったもので、おかしな文ですがご容赦ください。)

・基本5文型を構成する要素が第一行目に並ぶようにします。
・次に、その下に少し右にずらして各要素を修飾する語を配置します。
・ インデントが揃っている時は、同じ要素を修飾していることになります。上の例では、主語の下にある形容詞と副詞は、インデントが揃っていませんから、副詞が形容詞を修飾している関係になります。一方、目的語の下に有る二つの形容詞はインデントが揃っています。これは二つの形容詞が共に同じ目的語を修飾していることを表します。
・ ある句や節がどの語を修飾するかを考える時に、可能性が二つ以上有るように感じる時は、直近の語の下につけるのが原則です。
・ 関係代名詞は、先行詞の下に、インデントを揃えて配置します。同格など、同じものである場合は、同様にインデントを揃えて配置します。


手順
1) NASBの聖書で、大文字の主語で始まり、ピリオドで終わる一区切りの文を見つけます。e-swordではNASBは有料のライブラリーですので、インターネットで検索してみつけてくださっても結構です。どうしても見つけられない方は、e-swordのLITVとか、 YLTを利用なさっても良いと思います。(なお、急に構文分析をしたくなったのだが、手元に有る英語の聖書が限られているという場合は、King James Versionも候補の一つに入れることができます。かなりギリシャ語の語順が守られています。)

2) 主語、動詞の組み合わせである主節を先ず見つけます。助動詞が有る場合はそのまま併記します。更に、目的語(二つ着く場合も有ります。)と補語が有るかどうかを確認します。有れば、同じ行、ライン上に記します。

3) 残りの形容詞、副詞または形容詞、副詞相当の働きをする語句が、一行目の要素のどの語を修飾しているかを、意味関係に注意しならが確認します。先に示したインデントなどの配置のルールに注意します。


変な例文と極端に単純な手順説明で申し訳ありません。これから沢山実例を示しますので今回はこれでご容赦ください。また、自分ではやる気になれないけれども気になるというような個所が有りましたら、リクエストを下さればこちらでやってみて公開することもできます。ルールをしっかり思い出せないで、怪しい時もあるかもしれませんが、辛抱してお付き合いくだされば感謝です。

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