書簡文体の研究のポイント

おおまかな書簡文体の研究のポイントは、次のようになると思います。

ポイント1)誰に向かって、どのような目的で書かれた書簡であるかを確認する。

この文脈を理解していれば、部分的に読んだ時も、その個所の意味や文脈的位置を誤解せずに理解できると思います。


ポイント2)書簡のあて先の個人、教会などが、どのような文化に属していたかを確認する。または、個人や教会が持っていた問題などを確認する。

強調されている点や、おかしな指示だと思えるようなものも、この理解を通して考えると、納得が行く場合があります。


ポイント3)構文分析をして、書いた人の主旨、中心的思考を明確にする。

主節がどこで、その主語と動詞が何かをはっきりさせることで、ごちゃごちゃしているように見える文も、内容がはっきりしてきます。特に、分詞がどのように主節の動詞を修飾しているかを確認することが、その文の理解を豊かにする場合があります。


ポイント4)動詞、副詞、形容詞の意味はなるべく辞典で調べる。

どのような場面で用いられる語か、訳された以外の意味合いは何かを確認すると、理解が深まる場合があります。キリストとパウロが同じ意味合いで同じ動詞を使っていることに気付いたりすると、教えの一貫性などを感じたりします。


ポイント5)前後の文脈を確認する。

突然話題が変わっているように感じる場合も、どのような関連でそれが出てきたのかを、文脈から確認すると、理解が深まります。



これらを総合的に考えて、書簡が、どのような宗教的、霊的原則や姿勢を伝えようとしているのかを考えることになります。

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