説話文体研究の実例 イエスの奇跡物語シリーズ#3 ペテロの義母とその他の人々の癒し マタイ8:14−17

特に引用していませんが、e-swordの注解ウィンドウで、Gillをメインに参考にしています。

背景
場所は前と同じカペナウムです。同じ場所で連続して奇跡が起こることも、まぐれではない確かな証拠という側面が有ります。

強調点
エスの力と権威に強調点が有りますが、それを汲み取るのが少し難しいかもしれません。
 ペテロの義母の高熱が癒された部分においては、彼女が癒された直後に大勢の人々の接待ができたというレポートが、完全な回復をしていることを示し、その癒しをもたらしたイエスの力を強調しています。
 その他に人たちの癒しの部分においては、悪霊が儀式など無しに、イエスの「ことば」だけで出て行ったこと、また、イエスのところに来た病人が「みな」癒されたというレポートが、イエスの権威と力を強調しています。
 
締め括りの言葉
旧約の預言者イザヤを通して語られた神の言葉の成就であるとしています。預言通りのことが起きたということは、イエスのメシアとしての正当性を主張することになります。背景の所に書くべきかもしれませんが、マタイはユダヤ人に向けて福音書を書いていますから、これは、特に当時のユダヤ人達にとっては大きな訴えかけになったであろうと思われます。ユダヤ人は力有る神の使者であり救世主であるメシアを待ち望んでいましたから、預言の通りではないかと訴えられれば、一度考えてみようと思ったはずです。


マタイがこの物語を通して伝えたいこと
1)イエスの出現とその力有る奇跡の業は、旧約聖書の預言の成就であり、彼は正当な神の使者、救世主、メシアである。
2)連続する完全な癒しと解放は、イエスは確実に病気と悪霊の上に権威と力を持つ、神の使者、メシアであることを示す。

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