東のイメージ

東のイメージを取り上げてみようと思います。

e-swordの辞典ウィンドウで、ISBEなどの辞典を開いて確認してみてください。

ヘブル語ではミズラとかカデムと読める語が使われ、ギリシャ語ではアナトレイと読める語が使われると表示されています。

いろいろ比較して読みますと、聖書の東のイメージは、主に旧約聖書に負うところが多いようです。東のイメージはプラスのイメージとマイナスのイメージの両方が有ります。

聖書的に東というと、パレスチナの東側ということで、イスラエルの領地、もしくはヨルダン川の東側の諸民族や、アラビア、メソポタミアバビロニア諸国のイメージが有るようです。それらの国は、イスラエルの人たちとは異なった神を信じているということから、マイナスのイメージで捉えることが多かったようです。偶像礼拝とか占いが東のイメージには有り、それはイスラエルでは禁忌でしたから、そういうマイナスのイメージが出来上がったのでしょう。また、東の国や民は、イスラエルを圧迫することがありましたので、これもマイナスのイメージに貢献しています。また、旧約聖書では、アブラハムが、自分の長子であるイサクを守るために、後妻もしくは妾の息子達に沢山の贈り物を持たせて、東の諸国に送り出したというエピソードが有ります。約束の地で無い場所、または厄介払いの場所というイメージも出てきているかもしれません。

反対にプラスのイメージになる部分が有ります。東の方には知恵の深い人が居るというイメージです。旧約聖書ヨブ記に出てくるヨブは、「東の子らの中で最も偉大な者」として描写されています。また、イエスの降誕の時に、星の動きを観察してイエスを尋ねて来た三人の博士、知者も東の国から来たものでした。

そういうわけで、東には外国人のイメージが付きまといます。しかし、そういう外国人も、イエスにとっては救いの対象となる人たちです。

にほんブログ村 哲学・思想ブログ 聖書・聖句へ
にほんブログ村