北のイメージ

e-swordを起動して辞書ウィンドウを開き、Northと入れて検索します。ISBE以外にはきちんとした説明はみつけられませんでした。ISBEの説明から確認してみようと思います

最初にヘブル語ギリシャ語が説明されていますが、後者はプロテスタントでは用いていない第二聖典にしか用例が無いようですので、ヘブル語だけ確認します。
 ヘブル語では、ツァフォーン(Strong’sの表記による)と読める語で、北、北方という意味です。少し私の興味を引いたのは、語源となっているツァファンと読めそうな語には、「隠す、隠された(もの)、闇」という意味が有るという解説でした。すると、イメージはやはり暗いと言いますか、否定的なものになるだろうと思います。

旧約聖書の記述の中では、単純に方位を表している場合の他に、預言書の中に、アッシリヤ、バビロニアなどの具体的な国への言及が含まれています。両国は、イスラエルを圧迫する勢力でしたから、否定的なイメージが付きまとうのは仕方が無いように思います。バビロニアの首都ニネベは、地図上ではむしろ東と言えますし、そのことは以前にアップした「東のイメージ」でも資料の中で言及されていました。では、なぜ北のイメージも持ち合わせているのでしょうか。地理的にはニネベに行こうとすると、一度は北上するルートしか無かったために、生活感覚としては、北という感覚が有ったようです。

他にも北の国として挙げられるものが幾つか有るのですが、現在ではどこの国かわからないようです。エゼキエル書に出てくるゴメルなどは、アルメニアのことではないかという説も有るようです。

北の項目には記載が有りませんが、他にマゴグという地方のゴグという首長に率いられた連合軍が北からイスラエルに来襲するという話がエゼキエル書には出てきます。大変な数の軍勢のようですが、最終的には神の力で滅ぼされます。北端と思えるような記述から、今でもロシアや旧ソ連の兵力だと考える人達が居ます。
 実は、このゴグという名は黙示録にも登場します。比喩的な用い方で、違う事柄を指しているのではないかと思いますが、いずれも大きな事件や終末に関わっており、深刻なイメージなのは変わりません。

こうして調べてみると、北のイメージも少し重かったり否定的であったりするような感じがします。

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